なぜ自衛官は民間企業で「使えない」と言われるのか?在職中に知っておくべき現実
「自衛官ってすごいと思うけど、民間では使えないよね」
そんな言葉を聞いたことはありませんか?
元自衛官の私自身、退職して民間企業に就職してみて、その意味を痛感しました。
今回は、自衛官が退職後に感じがちなギャップや、民間で通用するために在職中にしておくべきことを、私の実体験をもとにリアルにお伝えします。
油の乗った鴨――それが自衛官の現実
自衛官は健康、体力、精神力、どれを取っても優秀です。さらに、安定した給与と退職時の満期金もある。
でも――それは騙す側から見れば、ものすごく「都合のいいカモ」でもあるのです。
民間社会やビジネスの仕組みを知らないまま、まとまったお金を持ってフラッと出てくる。これ、営業マンや怪しいビジネスにとっては「油の乗った鴨」そのもの。
知らないということは、武器を持たずに戦場に出るのと同じです。
私の退職と転職――無知と焦りの選択
私が退職したとき、妻の妊娠が発覚していて、とにかく焦っていました。
「給料の高いところにしよう」――そう考えて、自衛隊主催の転職イベントで出会った企業にそのまま決めました。
業界研究?将来性?キャリアアップ?何も考えてませんでした。
なぜなら、自衛隊内では民間のリアルな情報が圧倒的に不足しているからです。
「郵便局がいい」「大手企業なら安心」「やっぱり公務員が最強」
そんな声ばかりで、まるで井の中の蛙状態。今ならわかりますが、当時は本当に視野が狭かったと思います。
公務員と民間企業――考え方の根本的な違い
就職してすぐに感じたのは、民間と自衛隊の仕事に対する考え方の違いです。
- 自衛官:与えられた仕事を、丁寧に、真面目にやる
- 民間:自分で考え、効率よく、成果を出す
公務員は「変なことにこだわる」傾向もあり、ルールや手順に忠実すぎる部分があります。それが悪いわけではありませんが、民間では「結果」「スピード」「効率」が重視されます。
そして何より、「自己責任」。失敗しても誰のせいにもできません。
このギャップに苦しむ元自衛官は、少なくないはずです。
満期金と周囲の視線
さらに驚いたのは、「満期金がある」という事実を周囲が知っていること。
私が就職した職場では、先輩たちが「満期金あるんでしょ?」という空気を出してきたり、やたらと奢らせようとしてくる場面もありました。
もちろん、自衛官時代でもそういう人はいましたが、民間の方が「近く」にその圧力を感じました。
お金を持ってる、でも世間を知らない――そんな存在は、ある意味で“狙われやすい”のです。
それでも、辞めて良かった
自衛隊の外に出たことで、本当に多くのことを学べました。
「あのまま狭い世界にいたら、一生気づけなかった」そう思える体験がたくさんあります。
でも同時に、「もっと在職中に勉強しておけば…」という後悔もあります。
在職中から備えよう――知識は最大の防具
これから退職を考えている自衛官に、強く伝えたいことがあります。
- 金融知識をつけよう
- 転職先の業界・企業を調べよう
- 副業やスキル習得で稼ぐ力をつけよう
そして何より、「一発逆転の儲け話はない」。これ、本当に重要。
退職後に焦って怪しい話に乗ってしまう人は後を絶ちません。だから、今のうちに知識武装しておくことが、自分を守る最大の防衛手段です。
最後に
自衛官は、民間でも通用するポテンシャルを持っています。
でも、使えるかどうかは「自分次第」。そして「準備次第」。
焦らず、騙されず、しっかり備えて、新しい人生を踏み出していきましょう。
次回の記事では「元自衛官がカモにされやすい理由と、騙されないための対策」についてお話しします。
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