自衛隊で学んだ「NO」と言う勇気|意志を持つ大切さ

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「断る勇気」は信頼につながる。自衛隊と社会で学んだ“できない”と言う力

「断ったら悪い」は思い込みかもしれない

人に何かを頼まれたとき、「断ったら悪いな」「申し訳ないな」と思って、つい無理をして引き受けてしまった経験はありませんか?
特に真面目な人や責任感が強い人ほど、頼まれると断れない傾向にあります。

でも私は、自衛隊に3任期勤務し、さらに社会に出てからの経験を通して、あることに気付きました。
それは、「断ること」は冷たさではなく、むしろ信頼を守るための誠実な行動だということです。


自衛隊で学んだ「規律」と「意志」のバランス

自衛隊という組織は、何よりも規律と命令を重んじます。上からの指示には基本的に従うのが前提であり、自分の考えよりも「任務を遂行すること」が最優先されます。ですから、自衛官としての生活の中で「NO」と言う機会は少ないかもしれません。

私自身も、元々2任期の予定で入隊しましたが、自動車免許の取得が遅れたことなどもあり、3任期目に突入しました。その間、上司から「お前は頑張ってる」「続けてくれると助かる」と言われ、まんざらでもない気持ちでそのまま続けていました。

やがて陸曹候補生の試験に合格し、「これから本格的にキャリアを積んでいくんだな」と思ったのですが…いざその時になると、「本当にこのままでいいのか?」「やっぱり外の仕事に就きたい」という気持ちが湧き上がってきたのです。

最終的に私は辞退を選びましたが、それは応援してくれていた上司の期待を裏切るような形になり、非常に申し訳ない気持ちになりました。


自分の人生には、自分の意志を大事にするべき

ただ、その経験から強く学んだのは、「人の期待に応えること」と「自分の人生の選択」は、時には分けて考えなければならないということです。

自衛隊という組織の中では、規律や忠誠心が最優先です。しかし、自分の将来や人生の選択に関しては、最終的に責任を取るのは自分自身です。
だからこそ、自分の意志を持ち、正直に「やりたい」「やりたくない」と伝えることがとても大切なのです。

そのときに「いい顔」をして相手に合わせてしまうと、結果的には後からその人をもっと傷つけることになります。
むしろ最初の段階で「自分の気持ち」を正直に伝えていた方が、お互いにとってよかった、という場面がたくさんあると気付きました。


社会では「できない」と言えることが信頼につながる

社会に出てからは、また違う場面でこの教訓が活きました。外の仕事では、「できる」と言ってできなかった場合、相手に迷惑をかけてしまい、信頼を失います。

たとえば「この作業できますか?」「この日までに仕上げられますか?」と聞かれたとき、つい「はい、大丈夫です」と言ってしまいたくなりますよね。でも、本当は自信がなかったり、経験がなかったりするのに、無理して引き受けてしまうと、後で対応できずにトラブルになります。

そのとき初めて、「最初に“難しいかもしれません”って言っておけばよかった」と後悔するわけです。

だからこそ、私は今こう考えています。
**「断ったら申し訳ない」ではなく、「できないまま引き受ける方が、もっと申し訳ない」**と。


誠実な「断り方」は信頼を深める

もちろん、「できません」「無理です」だけでは冷たく感じるかもしれません。ですが、相手の立場を想像して伝えると、自然と断り方にも誠意がこもります。

たとえば、

  • 「今の自分には難しいですが、他の方法ならお手伝いできます」
  • 「一度持ち帰って、できそうか確認させてください」
  • 「今はできませんが、今後できるように準備します」

このように伝えるだけで、相手は「この人は誠実に向き合ってくれる」と感じてくれます。

結果として、無理して背伸びして一度の信頼を失うより、長い目で見た信頼関係が築けるようになるのです。


まとめ:NOと言う勇気は、人と自分を大切にする行動

「断ること」は悪いことではありません。むしろそれは、自分も相手も大切にする、誠実な行動です。

自衛隊のような組織では規律が第一に求められますが、人生の大事な選択や、社会に出てからの信頼関係では、時に「NO」と言える勇気が必要です。

  • 相手のために、断る。
  • 自分のために、正直になる。
  • 信頼を守るために、「できない」と言える。

このバランスが取れる人こそ、長く愛され、信頼される存在になるのだと思います。


「断るのは悪」ではなく、信頼を築くための第一歩。
あなたもぜひ、誠実な「NO」が言える人を目指してみませんか?


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